「太陽光発電のつけ方」コラボレーションワークショップ(勉強会)報告


 先日6月2日に勉強会を実施しましたのでご報告します。
勉強会の目的は、“消費者の目線”に立って太陽光発電に関する疑問質問に丁寧にお答えすることと、現在の補助制度などの情報を共有することを目的としました。
 募集期間中には大変多くの方の参加希望をいただき、直前のお申し込みにはキャパシティーの関係上お答えできないほどの関心の高さをいただきました。
 今回ご参加できなかった方には、次回の勉強会を優先的にご案内申し上げます。
 多くの皆様からのお申し込みにこの場をお借りして、深く感謝申し上げます。

日時:平成21年6月2日(火)18:30~20:30
場所:札幌エルプラザ2階 環境研修室1・2(札幌市北8条西3丁目)
参加人数:90人
主催:NPO法人ひまわりの種の会
共催:北海道経済産業局・北海道・札幌市環境局・はまなす財団(財団法人 北海道地域総合振興機構)・一般社団法人 北海道太陽光発電普及協会

【勉強会概要】
<支援制度紹介>
◆「太陽光発電の支援制度とグリーン電力について」
立野雅樹氏 北海道経済産業局エネルギー対策課 課長補佐 
 北海道のエネルギー消費動向・エネルギー消費量の推移を全国と比較。全国と比較しエネルギー消費量の多い民生部門に対して、化石エネルギー削減のため太陽光発電の導入を推進する。太陽光発電の導入目標では、平成21年4月10に出された「緊急経済対策」において2020年には現状の20倍の導入を目標としている。太陽光発電の普及に向けた施策として、・設備導入時の補助金・税制優遇制度措置・RPS法の執行・技術開発の支援などの従来の政策に加え、余剰電力を高く買い取る制度や「スクールニューディール構想」などが現在検討されている。
 支援対策補助金としては太陽光発電を含めた新エネルギーに対し、平成21年度当初予算364,4億円、補正予算案200億円である。補助金に関しての申請窓口は、一般財団法人エネルギー導入促進協議会/tel:01-5979-7701(代)。その他支援制度として、住宅減税、住宅ローン減税、課税標準特例の創設などがある。また、グリーン電力証書の普及拡大はランニングコスト削減の手段の一つとして自然エネルギー普及促進の一助となっている。

◆「太陽光発電における札幌市の支援制度のご紹介」
藤川隆一氏 札幌市環境局環境都市推進部 エコエネルギー普及担当課長  
 地球温暖化と札幌市の現状についてご説明。二酸化炭素削減目標は2010年にはマイナス6%(対1990年比)、2017年にはマイナス10%を目標にしている。札幌市は世帯あたりの二酸化炭素排出量が全国平均の1.3倍である。札幌の年間の灯油使用料が要因となっており、太陽光発電などの発電設備のみならず、木質ペレット、地中熱ヒートポンプ、ガスエンジン給湯暖房機などに対する支援制度を設けている。
 支援制度としては、住宅ローン提携型融資・助成制度、機器単独設置型融資制度、エネルギーeco資金補助、中小企業者向け機器単独設置型融資などを設けている。補助金に関して前期受付分は終了し、後期は9月中旬を予定している。

◆「太陽光発電余剰電力の販売手続きについて」
佐藤宏昭氏 北海道電力株式会社札幌支店営業部 営業グループ課長
太陽光発電設置における余剰電力買取に関してご説明いただく。
 電力会社は電気の品質や需給のバランス等利用者に対して常に安定した電力と電圧を供給する義務がある。
太陽光電池で発電した電気は直流のため交流に変換し、電気メーターで計量、系統連携のうえ、余剰電力が出た場合北海道電力に売る仕組みとなっている。
太陽光発電による余剰電力を量る電力量計は設置者負担で、計量法に基づく有効期限がある(10年程度。場合によって5年、7年がある)。
北海道電力では支払っている電気料金に一口500円から参加できる「北海道グリーン電力基金」制度があり、拠出金は自然エネルギー発電設備設置の助成などに活用されている。

<太陽光発電のメリット>
◆「住宅における太陽光発電のメリット」
長岡忠正氏 一般社団法人 北海道太陽光発電普及協会 会長 
 自宅の発電所事例をデータにも基づきご紹介。
 一例として2006年5月21日は25Kw発電し、北電から49円電気を買い、382円北電に販売。事例から曇りや雨の日でも発電をしているグラフを提示。5月分(31日中21日が晴れ)の電気料金支払いは7,752円、太陽光発電による売電料金は10,839円、差額3,087円が実質売電収入となる。前年度との比較では32%の電気代金削減になっている。
 電気代節約の有効的な手段としてエコキュート・夜間電力との組み合わせが効果的であると説明される。
 写真では、違う形状の設置事例をご紹介。無落雪住宅の屋根に平置き型で設置した事例もあった。

<質疑応答>
質疑応答タイムには、素朴な質問から専門的なことまで幅広い質問をいただきましたのでご紹介します。
Q1.マンションに取り付ける場合はどのように考えたらよいか。
A1.屋根は共有財産なので、発電力料金は組合が受け取り、電気の使用は共益とし て利用することになる。
 単身者のマンションは日中殆んど留守なので、売電料金が多い事例がある。
Q2.国の補助金の影響が大きいと思うが、持続性はどうか。
A2.支援制度復活や昨年の洞爺湖サミットによる影響があり、環境へのコ
 ンセンサスが盛り上がった。現在1Kwhあたり標準価格70万円が3~5年の間で半 額になる目安を立てている。太陽光発電の普及は2030年に40倍(2005年比)を目 指しているので持続性があると考えられる。
Q3.個人住宅で電気の配線が上からではなく下から配線されている場合があるが、 太陽光発電設置に問題はないか。
A3.技術的には大丈夫だと思う。新築設計の段階であれば問題はない。
Q4.屋根に載せる場合、角度のない太陽光発電の効率はどんな具合か。
A4.施工費を架台設置タイプと比較すると4kwで40万円ほど安くなる場合がある。
Q5.常設による傷みはないのか。
A5.太陽光パネル自体は強化ガラスで覆われているので傷みは殆んどない。
Q6.余剰電力をバッテリーに蓄えて夜間使うことはいかがか。
A6.バッテリー自体に劣化がある。また制御システムにお金がかかるので、北電と の系統連携をお勧めする。
Q7.冬、気温の低下で耐用年数は変わらないか。
A7.海の近くは塩害のある場合があるが、耐用年数は殆んど変わらない。
Q8.中古住宅の場合、耐震性や重さへの耐性はあるか。
A8.屋根が歪んでいると難しい。業者に相談するのが良い。
Q9.設置費用は何年でもとがとれるか。
A9.20~25年と言われている。ドリームエイトの組み合わせでは約18年。
 フィールドインタリフ制度導入後は10年前後と予測されている。
Q10.故障しやすいのでは。
A10.太陽光発電の殆どは10年間の補償を付けている。耐用年数は100年とも言われ ている。各メーカーによってタイプが違うので、業者と相談するのが良い。パワ ーコンディショナーは15年くらいを交換の目安と考える。計量器は10年で交換。 現在パネルは2ヶ月待ちの状況になっている。
Q11.3~5年で半額を目標にしているが、購入は待ったほうが良いか。
A11.新技術では発電効率の良い色素型タイプなども開発されている。今は良く分か らない状況。
Q12.フィールドインタリフ制度は後で買い取り価格が下がると聞いたがどうか。
A12.法律が運用されてから10年間を目安としている。仮に今年成立すると10年後ま で。太陽光発電導入の呼び水の役割と考える。
Q13.民間事業者がグリーン電力証書を買うシステムについて知りたい。
A13.証書発行会社へ申し込む。値段は様々だが、一例としてFMアップルでは1000Kw hで1万円。
Q14.無落雪屋根で平置き設置の事例があり、設置費が安いようだが、学校の屋上 ではいかがか。
A14.学校は教育設備の役割があるので、角度をつけたほうが良いと考える。

<相談コーナー>
勉強会終了後は会場を一回整理して、相談コーナーを設けました。
さらに詳しく説明を聞きたい方や、実際に太陽光発電を導入するに当たっての具体的な方策など、様々な質問に講師の方がお答えされました。

<いただいた感想・ご意見>
○ 大変わかりやすく、情報源の良いセミナーでした。
○ 具体的金額の話が出来て参考になった。
○ 10~30年のランニングコスト、及び税制度の変更などはどうか?
○ 優遇制度等勉強になりました。
○ 今まで関心はありましたが良く分からないままでしたが新聞でこの勉強会のことを知り、興味を持ち、実現できたら良いと思っています。
○ 良かった。今まではお金のかかるものだけと思っていたが、より検討の価値があると思えるようになった。
○ 長岡さんの話は良かった。
○ 次回も参加して勉強したい。
○ グリーン電力のところが良く分からなかった。無落雪の角度がない方が良いという考え方についてもう少し意見を聞いてみたい。
○ 参考になりました。内容にくらべ時間が少々少なかったように思います。
○ 色々聞きたいこと、知りたいことがあったので、参加してよかったが、時間が短いなと思いました。
○ 良かった。ありがとうございました。
○ なかなか難しいです。
○ 大変参考になりました。(3名)
○ やはり専門用語も多くてわかりづらい面もありましたが、第1段階としては勉強になりました。もう少し勉強して検討したいと思います。
○ 最後まで聞きたかったのですが、前半で帰宅することになりました。後日またひまわりの種の会に色々お聞きします。
○ 大変参考になったが、パネル取り付け部と建物との関連を研究・検討してみたい。建物のメンテナンスとパネルの総合耐用年数は?
■口頭で頂いたご意見■
○ 需要と供給の合った勉強会だと思う。
○ 様々な質問に対して回答できる体制が良かった。講師が充実している。
○ 真剣に考えている人が多数いることが分かった。
○ 勉強会に参加したことを友人に話したら関心を持って聞いてくれたが、詳しく知らない人も多い。太陽光発電に対して関心の高さが分かった。